朝に萌を聞かば 夕に悶え記すとも可なり
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じゃじゃっ! と校正したところまで、続きからアップです!
全然すすまね!
単なるこれセ○ハラ教師漫遊記じゃねぇか(笑)
後半は、ちょっと鬱々する予定ですが、この鳴海先生、暗い思考をするとすぐお気楽モードになるので、なけなしのプロット通りに動いてくれるかわかりません★
あと、文中の世界情勢うんぬんは、かなりテケトーなので、つ、ツッコミがあったら、こっそり教えてくれると、ありがたいんだぜ!
高校時代、世界史とってたのに、ほとんど覚えてないんだな、これが・・・・・・。
資料集の図や絵ばっかり見てたせいか♪
新キャラ、歌賀田君は、私の趣味が少し入っているんだろうな・・・・・・(笑)
全然すすまね!
単なるこれセ○ハラ教師漫遊記じゃねぇか(笑)
後半は、ちょっと鬱々する予定ですが、この鳴海先生、暗い思考をするとすぐお気楽モードになるので、なけなしのプロット通りに動いてくれるかわかりません★
あと、文中の世界情勢うんぬんは、かなりテケトーなので、つ、ツッコミがあったら、こっそり教えてくれると、ありがたいんだぜ!
高校時代、世界史とってたのに、ほとんど覚えてないんだな、これが・・・・・・。
資料集の図や絵ばっかり見てたせいか♪
新キャラ、歌賀田君は、私の趣味が少し入っているんだろうな・・・・・・(笑)
「中国における王道の思想からなる易姓革命と日本の・・・・・・と、今日はここまで」
『ありがとうございました!』
「は~い」
きちんと礼をして、教具を片付ける。
と云っても、簡単な資料と筆記具くらいだ。
わらわらと集まってきた生徒を、適当に受け流しつつ、俺は頭の片隅で考え事をしていた。
華麗なる莫迦自己紹介の後、俺の授業は、まずまず好評だった。
生徒の集中力はずば抜けているし、まぁ俺という人物に興味を持ってくれたのだろうが、未知なる世界のことを随所に練り込んだ授業は、彼らの知的好奇心をも刺激するようだった。
教えている内容は、主に世界史、もしくは世界情勢。
スパイをしていた、なんてことは、もちろん秘密だが、諸国を廻っていた元貿易商という肩書きで、各国の話をしている。
一般人の俺が授業をすることになったのは、学園長の意向らしい。世界に羽ばたける生徒を育成するために、広い見識を持つ外部講師を呼ぼうという考えらしく、その第一号が、俺、という訳。
俺を評価するのはいいけど、学園長さん、俺をモデルケースにするのは、教育者としてどうなの? と、思う。
二日前まで、朝昼晩の食事は、ほぼ酒、の俺だったというのに。
まぁ、ヤタガラスあたりの介入だろうな、と思う。
雷堂が通うこの学校は、ヤタガラスの息がかかった機関でもある。
学園長も、もちろんその庇護下にあるのだろう。
ふぅむ。
だとしたら、彼らのシナリオにある、俺の「役割」とは?
「鳴海先生!」
教室から出たところで、生徒に話しかけられた。
黒い短髪。
素直・まじめ・やや不器用を、やや低い背丈いっぱいに詰め込み、くりくりっとした眼をきらきらさせている。
白い頬は、誰かを連想させられたが、紅潮した初々しさに、小動物のイメージに書き替えられる。
「え~っと、歌賀田(うたかた)君だっけ?」
「覚えててくださったんですか!?」
「君が一番、熱心に聴いててくれたからね」
にこっと微笑むと、彼の顔が輝いた。
生徒の名前を早く覚える。
これが、信頼される一番の近道だ、と担任教師に教えられたので、実行してみたが、効果覿面のようだ。
相手の懐に、いかに警戒されずに、すべりこむか。
ヤタガラスのシナリオをカンニングするには、情報源は多いにこしたことはない。
純粋な少年を利用するのは、やや良心が咎めないでもなかったが、まぁ、まだ何が起きたわけでもないしね。
一瞬で、それだけ考え、俺は少年に向きなおった。
「あ、あの、先生の講義、すばらしかったです」
「そう? 初めてだから、緊張しちゃったんだけど、うまく喋れてたかな?」
「それはもう! ベテランの花巻先生よりもはるかに・・・・・・!」
あわわ、と慌てふためく少年に、思わず吹き出した。
「あらら、花巻先生に言いつけてやろっかな♪」「先生! それだけは!」「じゃあ、昼飯、お前のおごりな☆」「え~」「返事は?」「・・・・・・はい」「よろしい!」
と、ふんぞり返ると、二人とも吹き出した。
「鳴海先生って面白い方ですね」
「君は可愛いね」
「え」
「で、何か授業の質問?」
「え? あ、あぁ、えっと・・・・・・」
つぶらな瞳を、きょろきょろさせて、彼はズボンに手を擦りつけた。
どうやら緊張したときの、癖らしい。
我慢強く待っていると、さっきよりも、しゃんとした声で、彼は云った。
「鳴海先生が授業で仰っていましたが、アジア諸国の中でも日本は、あまり世界に知られていないというのは本当ですか?」
「ん? そうだな。アジアの中で、中国は西洋と地続きだし、交流もある。日本は島国だし鎖国の影響で、黄金の国ジパングなんて夢見てる外国人もいるし、中国の属国と誤解している知識人もいる。世界大戦後、知名度は上がったけど、まだまだ日本への偏見はぬぐえていないし、日本という名前すら知らない人たちが、大勢いるのさ」
ま、世界は広いから、と曖昧に誤魔化す。
未だにスパイ時代の情報網は健在だが、この少年に一から十まで教える気も、それを知っていることも明かすつもりはない。
ここでの自分は、日本の情勢を、元商人の立場で、ほどほどに知っている人間なのだから。
と、考えて、自分の思考に嫌気が差す。
そのとき、その立場での、自分を演じる。
まるでスパイと変わらないじゃないか。
「だったら、先生」
彼は、きゅっと唇を引き結んだ。
「欧米に立ち向かうには、今よりさらに国力、戦力を上げ、私たちが一致団結し、世界に日本という国を、しらしめなければなりませんよね」
その言い方に、ふとひっかかり覚えたが、黙っていた。若者が、正義や善行に傾倒するのは、よく見られることだったからだ。青臭いといえばそれまでだが、彼はおそらく、前進し、生涯にぶつかり、挫折し、また立ち上がるのを、体と経験で覚えていくのだろう。
経験上、操りやすいタイプではあるが・・・・・・。
何考えてるんだ、俺は。
どうしても、昔の悪い癖が出てしまう。
「鳴海先生」
先生、ねぇ・・・・・・。
「鳴海先生」
「もっと呼んで」
「え? 鳴海、先生?」
彼の顔のすぐ横に手をつき、顔を近づける。
そうそう。俺の本分は、こっちだ。
生娘のように反応する少年が可愛らしくて、もっと苛めたくなる。
「あのさぁ、歌賀田って・・・・・・」
その瞬間、目の前で火花が散った。
「おっと、手が滑った」
どこかで聴いたことのある声とともに、俺は頭を抱え込む。
「鳴海先生、大丈夫ですか!?」
「う、うん、ううん」
「どっちなんですか、鳴海先生!?」
「え~っと、辞書の角が、頭を抉った気がするけど気のせい?」
「大丈夫ですよねぇ? 鳴海先生とやら」
うう。何という皮肉めいた言い方!
きっと、俺はそいつを睨んだ。
「ら、雷堂君、今頃登校なんて、遅刻じゃないの? 夜遊びもほどほどにしないと、そのケツをゲフゥッ!!!??」
「鳴海先生!?」
「おや、鳴海先生は気絶されたようだ」
「葛葉君、辞書、変形してる・・・・・・」
「物言わぬ屍は放っておいて、行こう」
俺が最期、いや最後に見たのは、少年の手をむんずと掴んで、ずんずん進む書生の可愛い尻であった。
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